夏の夜の夢🌕夢日記
☆夢の中の少年☆
若紫の夢の中
幼少時代から時々、夢に出てきた男の子。
大人びた顔つきで、
その万能な力を指先に操る不思議な少年。
若紫はずっとその子に恋をしてきた。
夢の中だけで逢える。
愛しいその人。
その存在が関西または西の方に居るのは
なんとなく分かっていた。
でも 大人になるにつれて
月の御子に今生で逢えるのは
無理なのかなと、
いつの間にか諦めていた。
ある夏の夜の夢
夢の中では若紫は１０歳前後の姿。
夢の中で
若紫はその少年の後ろを
ついて歩いていた。
着物姿だった様に思える。
少年は月の御子の幼少の姿だと、
眠っていながらも分かった。
ふと、地面から手が出てきて、
その手が若紫の右足首を掴んだ。
ぎょっとして離れようとしたけど、
手は若紫の足首を離してくれなかった。
「暁さま たすけて」
そう叫ぶと少年は、
すぐに振り返って若紫の方に来てくれた。
暁が術を使うと同時に手は消えて
足首は自由になったけど、
おぞましい手の跡が若紫の足に残った。
若紫はピーピー泣いて、
何とかして
と、暁にすがった。
暁は、若紫の足首に手をあてて、
その傷跡をあっという間に消してくれた。
どうということは無い。
いつもそんな表情で暁は若紫を見るのだ。
爽やかで、落ち着いた優しい瞳。
若紫はいつの時代も、
その万能な力と不思議な魅力の
少年に恋をしていた。
暁は、優しく、強く
若紫を護ってくれている。
絶対的で唯一無二の存在。
夢の中だけで逢えるはずの月の御子
その存在を、若紫はいつの日か探し出す。
今夜も、
そんな暁と若紫の夢を見よう🌕
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